文の林

つたない文章の雑木林です

キリギリスとアリ

暑い夏、キリギリスは働いた。
たまにバイオリンを弾くこともあるが
冬の食べ物がなくなる時期の事を考え
汗水たらして一生懸命働いた。

アリは働いているキリギリスを見て、
電車ごっこのように並んで行進した。
今日はあそこへ行こう、
明日はどこへ行こうかと、
遊ぶことばかり考えていた。
アリは仲間の誰かが冬の食べ物を
貯めていると思っていた。

冬になり、キリギリスは夏に貯めた物を
食べていた。
そこへ、アリが食べ物を恵んで欲しいと
訪ねてきた。
キリギリスは、私が働いている時に
アリは遊んでいたからでしょうと、
食べ物をあげなかった。

アリはこのままなら飢え死にしてしまうと
キリギリスに頭を下げてお願いした。
キリギリスは、アリに夏は遊んでばかり
いないで冬のために働くように話して、
アリを部屋に招いた。

アリは1匹ではなく、続々と入ってきて
まず最初にキリギリスを食べてしまった。
キリギリスの食べ物は全てアリのものになり、
アリは寒い冬を越すことができた。