文の林

つたない文章の雑木林です

プッチン

プッチンは子供のころ、カッターで鉛筆を    
削っていて指を切ってしまったことがある。    
血は出なかった。    
転んで傷をつくった時も血が出なかった。    
プッチンは鼻水をたらしたことがあるが    
鼻血をたらしたことはなかった。    
プッチンは血が流れていないからだ。    
プッチンが赤い血を流しているのを見たなら、    
無能で野蛮なプッチンの影武者だろう。    

プッチンに赤い血が流れなくなったのは、    
子供のころに宇宙人に乗っ取られたからだ。    
宇宙人に乗っ取られた人たちは    
KGB(敬愛なるじいさんばあさん)なる    
組織をつくり相互監視、健康管理を行い    
国中に静かに浸潤していった。    
この組織のため、プッチンの体の秘密は    
漏れることが無かった。    
プッチンは大きな国の指導者になった。    

プッチンは暇をみつけパソコンやスマホで    
国盗りゲームやアクションゲームを行っていた。    
小さな画面でチマチマ行うのに飽きてきて、    
本物の軍隊を動かしてみたいと考えたのは    
当然の流れだった。    
そこでちょこっと、軍隊を動かしてみた。    
プッチンはゲームで鍛えた腕前と戦略で    
すばらしい成果を上げるだろうと期待した。    
2日間行ってみて、うまく攻略できないので    
リセットボタンを押そうとして探したが    
ボタンはどこにも見当たらなかった。    
プッチンも一応一人の人間なので戦争は    
好きではなかったが、始まってしまったのだから、    
ゲームオーバーになるまでやるかと開き直った。    
    
実はそれは、プッチンの体の老化を見切った    
宇宙人のDNAがジワリと表面化してきた    
結果だった。    
プッチンが執務室で一人でいるとき、    
左目の瞳が36秒ごとに白色ダイオードのよう光り    
額の内部からやんわり緑色に輝き始めたからた。    
もう少ししたら本性を出し、額の中央の横シワが    
プッチンと上下に割れてプレデターのような    
素顔が現れるのだろう。    
    
今行われてる戦争は、地球の局地的な    
戦争ではなく、地球人の同士討ちを望む    
宇宙人の作戦だ。    
その先鋒がプッチンなのだ。    
地球人の相当数が生存しなくなってから    
宇宙から本格的に侵略してくるのだ。    

かくして指導者プッチンは歴史上に名前が    
残る人物だったが歴史そのものが無くなった。