文の林

つたない文章の雑木林です

ロシオとウクリエット

キーエフ王国の王女ウクリエット。
その東側のモスコー王国の王子ロシオ。
両国は昔、ソーレン王国として同じ国だった。
ロシオはウクリエットと結婚して
モスコー国とキーエフ国を以前のように
一つの大きな国にしたいという野望があった。

ロシオは、ウクリエットの宮殿に行き
ウクリエットが寝ている部屋の
バルコニーの下でひざまずいて
「オー、ウクリエット、私と結婚してほしい」と
愛をささやいた。
しかし、ウクリエットはキーエフ王国の
西側にあるナート国の王子も気になっていて
どちらか決めかねていた。

仮面舞踏会に参加していたロシオは
ウクリエットを見つけた。
仮面を付けていても彼女だと確信できた。
ロシオがウクリエットに私の妻に
なってほしいと強引にウクリエットを
引き寄せた
ウクリエットはまだロシオと決めたわけでは
無いので、ロシオの誘い断った。

ロシオはウクリエットが自分に恥をかかせたと
腹を立て、腰にぶら下げていた剣で
狂ったようにウクリエットを切りつけた。
空色と黄色のドレスを着ていたウクリエットは
逃げたが、手や足を切られて血を流した。
綺麗だったドレスも切り裂かれ血で汚れて
ボロボロになってしまった。

ロシオは普段は白い顔だったが
真っ青になり、その後真っ赤になった。
ロシオは、ウクリエットの姿を見て
私が好きだったウクリエットではないと
嘆いた。
その後、冷静になったロシオは、
「私は、なんということをしたのだ」と言い
手に持っていた剣で自害した。
悪夢に襲われたウクリエットは
体と心をゆっくりと時間をかけて
癒し始めた。
今でもウクリエットは、なぜロシオが急に
切りつけてきたのか理解できないでいる。