神さまは大谷選手のバッティングする姿を
じっくり観察していた。
ボールが飛んでくる速さと方向から
打つ位置を見極め、タイミングよく
バットを振る。
何回も素振りをして感覚をつかむ。
何とかなりそうだと自信が出てきた。
今まで行っていた神さまが高齢になって
引退することになった。
私がこの仕事を引き継ぐことになった。
重要なことは、少し暗いやつを
飛んでくる方向ではなく
右や左に火花が出るくらいに
打つことだと教えらえた。
どの星を打つか選ぶ。
早く飛んでくるのは難しそうだ。
ゆっくり飛んでくる星をさがす。
バットを構えて近くに飛んでくるのを待つ。
バットを振ったが空ぶりだった。
次の星を探す。
今度はチップ性の当たりだった。
なかなか実践では思うように打てない。
やはり3割打つのは難しいらしい。
次の星を探す。
今度はホームラン性の当たりができた。
火花を散らして左方向に飛んで行った。
子供が夜空を観ていて
「お父さん、流れ星だーー」と
うれしそうに言った。