文の林

つたない文章の雑木林です

乗り物

車は、試験を受けて合格しなければ運転
できない制度をつくった。
試験合格者は運転できるが、未熟な運転、
ちょっとしたわき見や見落とし、暴走運転、
悪意をもった運転などするかもしれない。
ぶつけられた方はたまったものではない。
車は開発した当初から人や物にぶつかると
危険だと言う議論がたくさんあった。

馬車はぶつかりそうになっても馬がとっさに
よけてくれる。
車も車の意志で物をよけるような技術が
できない限り走らせたら危険だとなった。
鉄道は決まった線路の上だけ走るので
頑丈な鉄でも問題ないだろう。
車は鉄のような金属で作ることは禁止された。

車の自動衝突回避機能はなかなか開発
できなかった。
そこで、何かにぶつかっても安全だろうと、
車の周りを、衝突した衝撃を吸収するような
ふわふわしたもので作ることになった。

車の周りを雲で包んだ車が発売された。
これで、もしぶつかっても、大丈夫だろう。
誰でも衝突しないで運転できる車、
「禁突運(キントツウン)」。
もう少し、なめらかなネーミングにして
「キントンウン」にしよう。
これで、地上だけではなく、空を飛べたら
最高だな~と。
まさか鉄なんかで車を作っていたら
小さな国でも年間1万人位亡くなっていた
かもしれない。

いやいや、ちょっと待てよ、この名前、
孫悟空が乗っていたものではないか。
さすが、お釈迦様の掌の世界でも乗り物
同士が衝突したら危ないので雲状のものに
していたのかな。