文の林

つたない文章の雑木林です

ケンタロウ山に登る

お父さんが急にケンタロウに
「999mの山に登りたいか」と聞いた。
出かけるのが少ない家だったので
「行く行く行くーーー」とすぐに返事をした。

良く晴れた日、車に乗って出発した。
車はしばらく平らなところを走っていたが
すこしずつ上り坂になるのを感じて
ケンタロウは早く登りたいと思った。
これから登る山は、途中まで車で行ける。
駐車場から頂上までは1時間くらいだ。

お父さんやお母さんより
ケンタロウの方が早く歩く。
先に歩いて待っていることもある。
お母さんは道以外の所に入ったり
行ったりしたらダメだよと言う。
たしかに、道を外れたら草や木が沢山
生えていて戻る道がわからなくなる
かもしれない。

そんなに汗も書かないで頂上に着いた。
頂上はとても見晴らしが良かった。
定番の「ヤッホ-」と大きな声で叫んだ。
そうしたら、後ろの方にいた数人の男の人が
声を揃えて「ヤッホ~」と言った。
エッと思い、振り返って後ろを見たら
「俺たち、コダマって言う名前なんだ」と言って
笑っていた。
今度は、ケンタロウは「コダマー」と言った。
後ろから「ハ~イ」と聞こえた。

山の頂上で周りの景色を眺めながら食べる
おにぎりや卵焼きはとっても美味しかった。
また、水筒の水は家の水道の水だったが
店で売っている高級な水の味がした。

「これ、何」って、お父さんい聞いたら
「三角点」だと教えてくれた。
ケンタロウは999mの印の上に立ち、
「目の高さは、999+1で千メートルだ」。
今までで一番高かったデパートの屋上より
だいぶ高い。
高いところの新記録だと喜んだ。
でも、ケンタロウはもっともっと高いところに
行きたいなと思った。