文の林

つたない文章の雑木林です

ケンタロウの年の瀬(2)

12月になると大掃除を行う。
お母さんに言われてケンタロウも
子供部屋の自分の机の周りの掃除を行う。
でも、年末までに掃除前と同じ状態に
なってしまう。
大掃除をしたという気持ちだけが残っている。

この地方ではおせちは大晦日
31日の夜から食べ始める。
晦日イブの30日の夕食で31日の料理を
少し食べたことがあった。
お父さんが、どうせ大晦日
全部食べきれないのだからと言った。
納得だ。
ケンタロウは、クリスマスイブの前の日に
クリスマスイブイブと言って
ケーキを食べるのもありかなと思った。

ケンタロウは大きくなって、
おせちは正月になってから
食べるのが一般的だと知った。
晦日は何食べるのって聞いたら、
年越しそばだって。。。
なんか、一般的な大晦日
しけているなと思った。

お父さんが庭の松の木を切ってくる。
これを玄関前に釘で打ち付けて
半紙を切ってヒラヒラにしたのを付けて
しめ飾りにする。
これで正月が来る雰囲気が出てくる。

晦日の夕食のとき、
お父さんが今年の重大ニュースを10個言う。
一番最初に、今年は誰も大きな病気・怪我を
しなかった。
これは毎年言っている。
次に、ケンタロウが無事に3年生になった。
まぁ、誰でも進学できると思うけど、
もしも落第していたら一番最初に
言われたのかなと思った。
お父さんから病気になって学校を休んでいたら
3年生になれなかったんだよと言われ、
友達と一緒に3年生になれて良かったと思った。
夏休みに家族で街に行った、
名犬ポッポの家が新しくなった、
洗濯機を新しくしたとか
お父さんが次々に言った。
それも今年だったのかな?
こうしてみれば1年って長かったんだなと
思った。
お父さんは良く覚えているなぁ、
頭が良いんだなと思った。
後で、お父さんは日記を付けているので
読めばわかるのだと教えてくれた。
ケンタロウも日記を書こうと思った。
思っただけだった。