文の林

つたない文章の雑木林です

ケンタロウいじめられる

ケンタロウは幼稚園に入園した。
幼稚園のぞう組には腕白坊主がいた。
お山の大将になりたくて、組のたくさんの
男の子を子分にしていた。
ケンタロウは子分になりたくないと思った。
みんなで仲良く遊ぶのが好きだった。
腕白坊主はケンタロウも子分にしたかった。
そうなれば、ぞう組の男全員が子分に
なるからだ。
ケンタロウには仲の良い友達が一人だけ、
みんなで喧嘩したら負けてしまう。
それでも子分になりたくなかった。
とうとう、ぞう組の部屋の中で、
積み木の投げ合いになってしまった。
腕白坊主の方は人数が多いので、
ケンタロウの顔に積み木が当たり、
おでこから血が出た。
先生が来て、すぐに積み木の投げ合いは
終わった。
幼稚園で治療してもらい家に帰った。

名犬ポッポはしくしく泣いて帰ってきた
ケンタロウに「どうして泣いているの?」と
聞いてきたので、喧嘩で怪我したと話した。
ポッポは、「頑張ったね、ケンタロウは
子分になんかならなくていいよ」と言った。
それでも、悔しくて涙がでた。
お母さんが「どうしたの、どうしたの」と聞く。
ケンタロウは喧嘩で負けたと思っているので
どうしてそうなったのか言いたくない。
お母さんは幼稚園から連絡が来て、積み木で
怪我をしたのは知っているようだった。
しばらくして、腕白坊主は他の幼稚園に
移ったようで、いなくなった。
ケンタロウは後で知ったのだが、
お父さんとお母さんが幼稚園に苦情を言った
結果だったらしい。

ケンタロウは小学校に入学した。
ケンタロウに突っかかってくる子がいた。
親が大きな工場に勤めているところの子だ。
みんなが見ている教室の中で、
その子とケンタロウが相撲の取り組みの
ような格好になってしまった。
男の子同士の力比べのようだ。
その子は思いっきり力を入れてきた。
ケンタロウはこのままでは負けると思い
腕に力を入れて相手を投げ飛ばした。

ケンタロウの家では牛を飼っていたので
小さい時から家のお手伝いをしていた。
ケンタロウに割りあてられた仕事もあった。
名犬ポッポは「ケンタロウは毎日薪を運んだ
りしてるから力持ちなんだよ」と教えてくれた。
ケンタロウはお父さんやお母さんの仕事を
みているので自分は力持ちではないと
思っていた。
その後、その子はケンタロウに突っかかて
こなくなった。