文の林

つたない文章の雑木林です

なんでも一番

ケンタロウには弟がいる。
お母さんが子供に色々なおやつを出して
好きなのを食べなさいと言うと、
ケンタロウは一番先に好きなのを取る。
お母さんが子供に果物を切り分けて
食べないさいと言うと、
ケンタロウは見比べて一番大きいのを取る。
同じお菓子がたくさんある場合は
ケンタロウは一番たくさん取る。
新しい漫画の本があれば
ケンタロウは一番最初に読む。
新しいゲームを買ってきたら
ケンタロウは一番先にやらなければ
気がすまない。
名犬ポッポは、言った。
「ケンタロウ、一番は一番いいよね~」

そんなケンタロウにお母さんが言った。
「ケンタロウは何でも一番がいいのかい。
いいことの一番があれば、
悪いことの一番もあるのだよ」と。
それでもケンタロウは
「一番、一番、一番が一番いい」と言いました。
名犬ポッポは、言った。
「そうだそうだ、ケンタロウは一番だよ~」

ケンタロウの住んでいる町に
質の悪い風邪が流行ってきた。
ケンタロウは兄弟の仲で一番最初にかかった。
弟たちが元気に遊んでいるのをみて
ケンタロウは一番でなくてもいいやと思った。
名犬ポッポは、つぶやいた。
「でも、勉強では一番になれよな」