ラジオで深夜放送を聞きながら勉強していた
世代の人たちが文科省の幹部になった。
今の生徒や学生の学力低下に何か
方策がないか喧々諤々検討していた。
幹部たちは自分が実践してきたのだから、
何かを聞きながら勉強するのが効果的だと
考えた。
耳から刺激あったほうが興味が持続するし
眠たくならないと決めつけた。
スポーツ選手も試合直前などに音楽を
聞きながらリラックスしている。
牛に音楽を聞かせて乳量を増やしている
牧場もあると聞いた。
植物に音楽を聞かせて大きく育てている
ところもあったような話も聞いた。
文科省からの通達で、授業中に
音楽などをイヤホンで聞いても良いとなった。
生徒学生たちは、耳にイヤホンをつけていた。
ただし、先生の声が聞こえないと困るので
片耳だけイヤホンをつけて良しとなっている。
先生たちは気持ちが高揚する好きな音楽を
聴いているのだろうと考えていたが
音楽のみならず、ラジオ放送、落語、
はたまた競馬中継を聞いている人もいた。
そこで、文科省は音楽だけでに限定した。
にわかに効果が出てきたようだ。
授業中に眠る人がいなくなったからだ。
しかし、大きなしっぺ返しが来た。
音楽を聴きながら授業を受けていた人たちは
テストのときはイヤホンはつけられないので
静かすぎて回答できず、点数は伸びなかった。
