文の林

つたない文章の雑木林です

ケンタロウと通信簿

学期が終わるごとに先生が一人ずつに
通信簿を手渡ししてくれる。
ケンタロウの成績は、そこそこだ。
「3」と「4」が交互に並んでいる。
先生からの言葉の欄には、いつも
「ケンタロウ君はやれば出来る子です。
頑張ってください」と、書いてある。
先生も早く休みに入りたいので
手抜きして、クラスの全員に
最初の名前だけ変えて同じ文を
書いているのはないか思う。

ケンタロウは、自分でもやれば出来るのは
知っている。
でも、いつも明日からやろうと考え、
今日はやらないんだな。
明日も同じことを考えるんだけどね。
某学習塾の先生のように
「やるのは今でしょう」と、書いてあれば
少しはやったかもしれないな。
少しだけだけどね。

通信簿を受け取ったら、明日から休みだ~
家に帰ったら、お父さんもお母さんも
通信簿を見せなさいと言う。
見なくても自分の子供なのだから
成績ぐらいは把握してると思うんだけどなぁ。
お父さんはいつも
「頑張ったな、これからも頑張れよ」と
いつも同じことを言う。
お母さんは細かく、
「なんで国語と社会は良くないの」と
聞いてくる。
暗記することが苦手なんだと言うと
「勉強しないからよ」といつも同じことを言う。
お母さんだって、いつも同じことを言うので
お母さんも暗記が得意ではなかったと思う。

これがケンタロウ家の学期末の
いつものパターンだ。