文の林

つたない文章の雑木林です

ケンタロウの正月(3)

ケンタロウは、正月になるまでの寝る回数を
数えて、12月27日になると、大きな声で
「あと、もういつつ寝ると、おしょおがつーー」と
歌った。

ケンタロウの家はストーブのある部屋以外は
とっても寒い。
寝る部屋には暖房が無いので布団は寒い。
お母さんがストーブに乗せて暖めていた
ヤカンのお湯を湯たんぽに入れてくれる。
それを寝る前に布団に入れておく。
布団の中には横向きに丸まって入るので
腰より少し足よりの所に置いておく。
湯たんぽの暖かさですぐに眠りにつけた。
ケンタロウの家には家畜がいるので
牛や馬がいる建物の中の方が温かいのは
クラスの他の人は知らないだろうなと思った。

さらさらの新雪の中を歩いて進む。
膝までの雪だったら難なく歩けるが、
腿辺りまでの雪だったら歩くのが難しくなる。
吹雪いたあとのなだらかな山になった雪は
固くしまっていて雪の上を歩くことが出来る。
場所によっては体がスポッと埋まることもある。
お父さんが家畜の世話をしている時、
お母さんが雪かきをする。
お母さんが雪をかいた後は、
雪がきれいに90度の壁になっている。
ケンタロウは、雪だるまを作ったり
雪合戦をして遊んだ。

割った竹の先を少し曲げた竹スキー。
曲がった部分を長靴の先に引っかけて
雪の上をすべる。
竹スキーは転んだり、踏んだりしたら
簡単に壊れてしまう。
壊さないように遊ぶのが面白かった。
長靴にベルトで取り付けるスケートがあった。
長靴にベルトでしっかり締め付けて
氷の上を滑るのだが難しかった。
お父さんはこのスケートを
どこからもらってきたのかなぁ?
小学校に入ったらスケートに靴がついた
今の形のやつになっていた。

ケンタロウにとって冬の雪や氷は
名犬ポッポとともに友達だった。